2016年9月11日日曜日

1200年もの歴史を有する高野山について学べる本

先般、はじめて高野山に行ってきました。
結果、「好奇心」が更にわいてきてしまったので、本書で勉強してみました。

KOYASAN Insight Guide 高野山を知る一〇八のキーワード (Insight Guide 4)
高野山インサイトガイド制作委員会
講談社
売り上げランキング: 21,840

本書については、まずビジュアルが綺麗です。美しい写真を多数用い、しっかりとした作りに仕上げています。内容のほうは「真言密教」から始まり、「高野山」「空海の足跡」「山のくらし」の大きく4章で構成されており、更に細かく108のテーマについて解説がなされています。

例えばテーマの1つ目は、私がまさに知りたかった「真言って何のこと?」です。真言とは大日如来そのものであり、つまりは唱えることに意味がある大日如来の説く「秘密の言葉(真実語)」だそうです。密教では、三密行(身密、口密、意密)の修法により、仏と一体になる即身成仏が可能であると説かれていますが、その過程で最も重要視されるのが、真言を唱える語密であるとされています。

さて、最初のテーマについて読んだだけで既に、「大日如来」「三密行」「即身成仏」等の良く分からない言葉が出てきました。まず「大日如来」とは、密教の教主であり、真実を表す五智如来の中尊です。

胎蔵界大日如来














「三密」とは仏の身体、言葉、心の働きのことで聖なるものですが、人の場合は同じ三つが煩悩の元となり、これを三業と呼ぶそうです。そして、手に印を結び(身密)、口で真言を唱え(口密)、心に仏を思う(意密)ことで煩悩から解き放たれ、仏との一体化を目指す修行を三密行と呼ぶそうです。

さらに「即身成仏」とは、現世で修行を重ねた結果、生きたまま仏と一体となり、悟りを開くことができるという密教ならではの教えのことだそうです。空海は、先に書いた三密加持によって人間の三業と仏の三密が一体となったときに、即身成仏が叶うと説いています。

この時点で既に、よー分からんです。。。

しかし本書では、そうした「真言密教」の個々の難しい話も簡潔に纏めつつ、幅広いテーマについて解説してくれています。例えば、「壇上伽藍や奥之院、金剛峯寺といった高野山の聖域」の話や「空海の伝説」の話、更には「香」や「精進料理」の話まで。

高野山の聖域である奥之院の中の橋




















例えば、空海という人には、まるでイエス・キリストのように様々な伝説があるそうです。
・7歳のとき、山の頂きから谷底をめがけて願をかけ飛び降りたところ、天女が舞い降りて空海を受け止めた。
・空から明星が飛来して空海の口の中に飛び込み、それを海に向かって吐き出すと、いつまでも明るく輝いた。
等々。

こうした数々の伝説の真偽はひとまず置いておくとしても、少なくとも空海は、たった3ヶ月で8代目の密教の祖師となり、唐に渡ってからわずか2年で帰国しています。さらには詩文や戯曲、文芸評論、語学書といった多彩なジャンルの優れた著書も残しています。教科書でも習ったとおり、三筆に数えられる能書家です。治水事業を行うほどの土木技術も有していたそうです。まさにこの人が「天才だった」ということが良く分かりました。

本書を読んで、もう一度高野山に行ってみたくなりました。海外の文化遺産もいいですが、1200年もの歴史を有する日本の聖地について、皆さんも学ばれてみることをお薦めします。

いやー、本ってほんまええもんです!!


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